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sketch558

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9月22日
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私には、(芸人として欠かせないと思われる)「誰かを喜ばせたい」、という気持ちが足りないようです。

商品としての完成画(日本画)を描いている時よりも、野外でスケッチして自分の知らなかったことを知る(世界が広がる)喜びのほうに、

絵を描き続けるエネルギーが湧いてくるのです。 「へぇ、ここはこういう風になってるんだ。生物というものは、よく出来てるな〜」などと。

 

しかしこの性質を無条件で肯定してしまうと、結局は自分の首を絞めることになる気もします。

そもそも日常生活において、絵画教室以外では、ほとんど誰とも接(しようと)することのない私にとって、

「他者(自分以外の誰か)」というものの具体的なイメージが、どんどんぼやけて掴めなくなってきているのを、薄々感じているのです。

おそらくこれは(芸人として)危険です。具体的な他者の人格をイメージできずに、どうしてその他者を喜ばせようなどと思うでしょうか。

 

とはいえ、商売をうまく運営するリサーチのためとわかっていて築く人間関係から得られるものは、きっとひどく貧しいものでしょうね。